みずこし動物病院

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2007年04月12日(木)

ワンちゃんを病気にさせないための予防の話 [病気に関するお話]

 今更ながらワンちゃんを病気にさせないための予防のお話です。
基礎編です。
   ・狂犬病予防注射
1年に1回の注射です。この注射を行うのは飼主さんの義務であることが法律で定められています。同時に一生に1回住所地の自治体にワンちゃんの登録(要するにワンちゃんの戸籍みたいなもの)を行うことが法律で義務づけられています。(瀬戸・尾張旭の飼主さんは当院で手続き可能)

  ・伝染病混合ワクチン
ジステンパー・パルボ・伝染性肝炎など致死率の高い病気に感染した場合、病気に打ち勝つための免疫力(抵抗力)をつけておくワクチン注射です。初年度は約1ヶ月間隔で2〜3回、以降は1年に1回追加接種を行います。※1


  ・フィラリア予防(犬糸状虫感染予防):
フィラリアとは蚊が媒介する犬の心臓(正確には肺動脈)に寄生する虫です。感染してしまうと有効な治療法がありません。予防薬で100%感染を防げますが、予防しない場合、知らない間に感染していることが多いです。シーズンはじめに血液検査をさせていただいてから1ヶ月に1回飲み薬で予防します。※2

以上3つは予防が可能なものなので是非お勧めいたします。

そのほかに、ノミ・マダニの予防
お散歩中にノミ・マダニをつけてきてしまうようなら1ヶ月に1度の予防(背中にたらす薬)をお勧めします。

※1:ワクチンの追加接種は本当に1年に1度必要かどうか、いろいろ議論されていますが現段階では1年に1回の接種が無難と考えます。

※2:予防期間は蚊が出始めてからスタートで蚊がいなくなった1ヵ月後で終了です。前回の予防の話パート1を参考にしてください。

Posted at 17時17分

2007年03月30日(金)

フィラリア予防の話パート2 [病気に関するお話]

 フィラリア予防薬を飲ます前、予防シーズンの最初には必ず血液検査が必要です。
 例外は1年中予防薬を飲んでいるワンちゃんとその年生まれのワンちゃんは血液検査は不要です。
 具体的には
1.抗原検査:検査キットを用います。フィラリアの成虫の寄生の有無を調べる詳しい検査です。

2.ミクロフィラリア検査:顕微鏡下でフィラリアの幼虫の有無を調べます。
最低限必要な検査です。

  どちらの検査をすべきでしょう?
うちの病院の考え方としては、毎年完璧に予防しているワンちゃんは最低限の2の検査でよいと思います。
 反対に今まで全く予防していない、あるいは飼主さんが忙しさのあまり予防がうやむやになっている場合、本当にフィラリアに感染していないか飼主さんが知りたい場合は1の詳しい検査をすると良いでしょう。

万が一フィラリアに感染しており、しかもオスメスがワンちゃんの体内にいる場合、フィラリアは卵ではなく幼虫をそのままワンちゃんの血液の中に産み落とします。1滴の血液中に何十、何百と出現します。

そもそもフィラリア予防薬は蚊に刺されてワンちゃんの体内に侵入してきた少数のフィラリアの幼虫をターゲットにしています。しかしフィラリアに感染し、しかもミクロフィラリア(幼虫)が出現しているワンちゃんに予防薬を投与すると血液中の大量のミクロフィラリア(幼虫)も一緒に駆除されてしまいます。このときの影響で、ショック状態に陥り、最悪、命を落としてしまう場合もあります。もちろんなんとも無い場合もありますが。

 以上が予防薬を投与する前に血液検査が必要な理由です。
2の検査が必要最低限といった理由は、2の検査が大丈夫だからフィラリアに感染して無いとはいえないのです。フィラリアに感染していても、メスだけ、あるいはオスだけ感染している場合、オスメスいてもフィラリア自体が高齢の場合は、幼虫が出現しません。この場合2の検査はOKでも1の検査では引っかかってきます。 
ご心配な方は1の抗原検査、しっかり飲ませているから大丈夫とお考えであれば2の検査をお勧めいたします。


Posted at 12時27分

2007年03月13日(火)

腸閉塞(嘔吐しまくり) [病気に関するお話]

  腸閉塞(腸の中身が通過しないため問題が起きた状態)になったら開腹手術が必要です。
 診断がなかなか難しいです。共通した症状は嘔吐ですが、ものによっては下痢を伴う場合があります。
嘔吐の原因となるものは、
1.胃腸炎・・・数日の対症療法で回復します。
2.急性膵炎・・・重症だと命取りになります。
3.ウイルス感染・・・パルボウイルス、コロナウイルスなど重症だと命にかかわります。
4.中毒
5.肝障害、腎不全・子宮蓄膿症・尿閉など
6.異物による腸閉塞
7.消化管の腫瘍
8.炎症性腸疾患 などさまざまです。
ほとんどが1の急性の胃腸炎であり、数日の対症療法で回復します。

うちの病院の進め方としては飼主さんのお話をお伺いしながら、ほとんどの場合血液検査をさせていただき、基礎疾患(他の病気から嘔吐が起こっているのではない)が無いか確認しつつ、数日間対症療法をさせていただきます。胃腸炎であれば、ほとんどが数日で回復しますが中には全く治療に反応しないケースが有ります。
 こうなるとレントゲン撮影です。とりあえず2方向から撮影させてもらいますが、ほとんどの異物がレントゲン写真にはっきり写りません。金属、骨、石ぐらいしかレントゲン写真には写りません。
     そこでバリウム検査の登場です。
動物にバリウムを飲ますのはなかなか大変ですが、そうも言っておられません。飲ませたバリウムが半日ぐらいできちんと直腸まで到達すれば問題ありませんが、バリウムが途中から流れない、流れるのに時間がかかりすぎる、流れるが腸の形が変わらないようですと手術決定です。
お腹を開くとたいてい何か出てきます。
今年になってから2件ありました。珍しく猫さんが2件続いたのですが1件は2cm四方ほどの木片でした。ころころ転がして遊んでいるうちに飲み込んでしまったようです。もう1件は飼主のお姉さんのストッキングを飲み込んでいました。この猫さんは普段から布や靴下やストッキングをかじる癖があり、病院に2〜3日前から吐きまくっていたので来られた翌朝にすぐバリウム検査を行い、昼に開腹手術でした。
結構、飼主さんの予期せぬものを飲み込んで問題が起こっていることが多いので、ワンちゃん、猫ちゃんが嘔吐するようならとりあえず、診察を受けていただくことをお勧めいたします。

ちなみに、今まで私が異物による腸閉塞で取り出したものは、
梅干の種、桃の種、スーパーボール、軍手、雑巾、タオル、ストッキング
女性の生理用タンポン、とうもろこしの芯、アイスクリームのバー、じいちゃんの目薬丸ごと、ウォークマンのイヤホン、焼き豚をつつむネット、骨付きの肉、石、串かつの串、ペットシーツのゲル(消化液を吸って小腸でパンパンに膨らんでいました)、木片、自転車カバー、ビー玉など思い出したらキリがありません。異物をかじる子は腸閉塞に注意してくださいね。

Posted at 16時07分

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