2007年07月30日(月)
説明することの難しさ(1) [院長日記]
愛知県も梅雨明けし、ビールがうまい時期になりました。
つい、ビールを飲みすぎて下腹のでっぱりが気になりだしたので、今日は、診察終了後に森林公園周辺へジョギングに行くつもりでした。
しかし、珍しく運動する気になると、決まって急患が入ってしまいます。
診察終了後、病院を閉めてから、緊急手術をしました。いま、麻酔が覚めたワンちゃんの様子を診ています。結局、今日も走りに行けません。
ダイエットは明日から・・・・・です。
今日はまじめな話を少し。 インフォームドコンセントについてです。
インフォームドコンセントに必要なのは獣医師と飼主様との信頼関係だと思うんです。
具体的には、ずっと以前から、うちの病院に来ていただいていて、ずっと継続で御来院いただいている飼主様とはお互いに信頼関係(私達も飼主様を信頼し、良いことも悪いことも洗いざらいお話でき、飼主様も当院を信頼出来ているので安心して獣医師の治療方針についていける)ができているので当然治療成績が上がります。
その反面、初めてうちの病院に御来院され、いきなり手術を勧められた場合、飼主様はどのようにお考えになるのでしょうか?
私が一番、神経を使うのは初診にもかかわらず、いきなり手術が必要な患者様です。時間的なゆとりが有る場合は、とりあえず、帰宅していただいて、ご家族で冷静に話し合っていただくこと、あるいは治療方針に納得いかない場合は他の任意の動物病院にセカンドオピニオンを求めていただくこともあります。
問題は、今すぐ手術をしなければ助からないかもしれない、あるいは、手術をしても助からないかもしれない動物に遭遇した場合です。
強い口調で手術をお勧めすると「この病院、金儲けのことしか考えとらんのとちゃうか?」などと、うがった見方をされることもありますし、助かるためには動物の生命力に期待するしかない、つまり言い方を変えれば、一か八かの手術だってあります。そんなハイリスクの手術で残念な結果(動物が死んでしまう)に終ると、来院時のヤバイ状態は棚上げして「あそこで言われるままに手術をされたら、失敗して死んだ。」
と言われてしまうことだってあります。
大事なことは、いかにわかりやすい説明をし、飼主様に納得していただいた上で治療に当たることだと思いますが、これは、何年獣医師をやってても難しいですね。
飼主様と獣医師は人間同士ですので当然、合う合わないはありますよね。
たとえ、同じことを説明されるにしても、ベテランの獣医師と若造の獣医師が言うのでは言葉の重みが違いますし、自分が好感を抱いてる獣医師と生理的に受け付けない獣医師が全く同じことを言っても、やっぱり心に残るのは好みの獣医師の言うほうだと思うんですね。
きっと、男女問わず、異性をくどき落とすのが上手な人はきっとインフォームドコンセントの能力にも長けているじゃないでしょうかね。
そんな才能が自分にあればいいなといつも考えてしまいます。
Posted at 23時42分
2007年07月27日(金)
2007年07月24日(火)
糖尿病2(糖尿病の原因) [病気に関するお話]
今回は糖尿病の原因の話です。
全てを書くつもりはありませんので、興味のある方は本屋さんで専門書をお求めください。
糖尿病となる原因(犬猫)
1.膵臓からインスリンが出ない場合
@慢性膵炎の結果、膵臓がだめになってしまった。犬はこのパターンが多いです。
A膵臓の限界。膵臓はがんばってインスリンを分泌し続けていたのですが、体のほうがインスリンに反応してくれないため、膵臓が疲れきって結局インスリンを分泌できなくなります。猫はこのパターンが多いです。
2.インスリン抵抗性(インスリンに対する体の反応が鈍くなる)
つまり、膵臓はインスリンを出しているのですが、血糖値を正常に保つため、よりたくさんのインスリンが必要になり、結局1のAにつながります。インスリン抵抗性の原因は
@肥満:人間も同じ
A発情(避妊してないメス犬):ある種の女性ホルモンはインスリンの効きを悪くします。したがって糖尿病になった未避妊のワンちゃんは、糖尿病のよりよいコントロールのために避妊手術が推奨されます。
Bある種の薬の長期投与:アレルギー性皮膚炎、アトピー性皮膚炎に使用する副腎皮質ホルモンはインシュリンの効きを悪くします。
C内分泌疾患:自然発症の副腎皮質機能亢進症はしばしば糖尿病を引き起こします。理屈は上記のBと同様で体内の過剰な副腎皮質ホルモンがインシュリンの効きを悪くします。
D慢性感染症によるストレス(特に猫)
こんなところでしょうか?
次回は治療に関して簡単に書く予定です。
Posted at 16時25分
【 過去の記事へ 】