2012年04月08日(日)
院長不在のお知らせ [お知らせ]
4/15(日) 院長不在
狂犬病予防集合注射にかりだされますので院長不在となります。
天気が良くなりますと時期的に病院も混雑することが予想されます。
当日は獣医師1名で診察を行いますので時間にゆとりをもってご来院いただきますようお願いいたします。
Posted at 07時51分
2012年04月06日(金)
おっさん [院長日記]
とうとうバカボンのパパと同い年になってしまいました。
Posted at 00時33分
2012年03月19日(月)
猫のフィラリア予防のすすめ [病気に関するお話]
フィラリアといえば言わずと知れた犬の寄生虫です。
しかし、今回は猫の話です。
フィラリアは本来犬、狼、キツネ、タヌキ、イタチなどイヌ科の動物に寄生します。従来、フィラリアは猫には寄生しないか、寄生しても非常にまれなことと思われていました。
ところがここ10年くらいで犬のフィラリアが猫にも感染し、重篤な症状を起こすことがわかってきました。すでにご存知の飼い主様もいらっしゃることでしょう。
今日のネタはアメリカフィラリア研究会American Heatworm Society
(http://www.heartwormsociety.org/veterinary-resources/feline-guidelines.html#Epidemiology)の猫のガイドライン2012年バージョンからの受け売り(いわゆるパクリ)です。
興味を持たれた方はタイトル(猫のフィラリア予防のすすめ)をクリックしていただくと、より詳しい内容が書かれていますので是非ご一読ください。
猫は犬と比較してフィラリアに感染しにくいということは周知の事実ですが、全く感染しないわけではないようです。例えばフィラリアの幼虫100匹を犬に感染させるとすべての犬でフィラリアは成虫にまで育ち、平均60匹の成虫が肺動脈に寄生するそうです。その反面、フィラリアの幼虫100匹を猫に感染させるとおよそ75%の猫で感染が成立し、3〜10匹が成虫となり肺動脈に寄生するそうです。以上の実験結果から犬ほどではないにしろ猫もフィラリアに感染すると言えます。
実際の猫のフィラリア症の症状ですが、犬のように症状からフィラリア症を疑うことはできません。
比較的軽度な症状は
・何となく元気がない
・食欲不振
・咳
・頻呼吸
・努力性呼吸
・食事に関連しない嘔吐
などです。
症状が重度な場合は、
・呼吸困難
・喀血
・運動失調
・虚脱
・けいれん
・突然死
などです。猫の突然死の何割かはフィラリアによるものだと思われます。フィラリアで死亡した猫(病理解剖で診断)のおよそ1割が室内飼育をされていたそうです。猫エイズや猫白血病と違って、猫のフィラリア症に関しては「室内飼育だから大丈夫」というの残念ながら言えないようです。
猫のフィラリア症は犬のように血液検査をしてもほとんど診断がつきません。その理由として、フィラリアに感染してもフィラリアの感染数が少ないため、血液検査に引っかかってこないようです。私自身は過去に1例だけ抗原検査でフィラリア陽性という結果が出たことがあります。また,私が学生時代に当時の助教授が猫のフィラリアの手術を1例行っていました。
猫のフィラリアを診断する場合、血液検査(抗原検査、ミクロフィラリア)、胸部レントゲン、超音波検査などで総合的に行います。しかし、「この結果が出れば猫のフィラリア症!!」という確実なものはありません。したがって獣医師が「この猫さんはひょっとしたらフィラリアかもしれない」という疑いを持って診察をしないとフィラリアの診断はつかないといえます。
「猫はフィラリアにほとんどかからない」のではなく、決定的な診断ツールが存在しないので、我々獣医師が「猫のフィラリア症」と診断をつけられないのかもしれません。
猫がフィラリアに感染した場合、犬に寄生した場合と比べてフィラリアの寿命は短く、幸いにも症状を出すことなく自然治癒する場合もあるようです。この場合は飼い主様も自分の猫がフィラリアにかかっているかもしれないなど夢にも思わないことでしょう。しかし、問題は、運悪く重症化してしまった場合、命にかかわることがあり得るということです。
猫がフィラリアに感染するとフィラリア関連呼吸器障害Heatworm-Associated Respiratory Disease(HARD)と呼ばれる状態になります。
HARDは2期に分かれます。
最初は若いフィラリア幼虫が肺動脈に到達したときに肺動脈、気管支、肺胞に激しい炎症を起こします。ここで症状が出る場合があります。この時に幸いにも症状が軽度で乗り切った場合はフィラリアは成虫に育ち、しばし安定期に入ります。次の段階では寄生していたフィラリアが死んだ時に起こります。死亡したフィラリアが抹消の血管に詰まり、血栓塞栓症をおこしその部位から激しい炎症が生じます。運が悪いと最初の段階や次の段階で呼吸困難となって急死してしまいます。
猫は犬ほどフィラリアに感染しない事は紛れもない事実ですので、従来通りフィラリアの予防をしない選択もありだと思います。しかし、予防することでフィラリアによる猫の突然死のリスクを少しでも減らしてあげたいとお考えになるようでしたら、ぜひ当院へご相談ください。
Posted at 15時58分
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