2007年08月24日(金)
ワクチンってなあに?パート1 [病気に関するお話]
伝染病を予防する上で、ワクチンは非常に重要です。これは、人間も動物も同じです。
そこで、ワクチンとは何でしょう? ご存知ですか?
ワクチンとは、もちろん治療薬ではありません。病気のときに用いるものではありません。ワクチン接種のことをワクチネーションといいます。
ワクチネーションは、病気が出ないように力を弱めた病原体(ウイルスなど)を、主に注射などで体内に入れます。変なものを入れられた体は、次に同じものが入ってきたときに、直ちに体から排除できるように、抗体と呼ばれるたんぱく質を作ります。
病気の予防にはこの抗体と呼ばれるたんぱく質が非常に重要です。
体内に病気に対する抗体がたくさん存在すれば、いざ病原体が体内に侵入してきたときも重症になる前に体から病原体を排除してしまいます。つまり、重症化する病気にかかっても、全く症状が出ない(不顕性感染)か、軽い症状ですんでしまいます。本来、自分自身が持つ抵抗力を最大限引き出して、病気に備えるというのがワクチン接種(ワクチネーション)の考え方です。
犬、猫の場合、ワクチンで予防できる病気は残念ながら終生免疫、つまり1回接種すれば一生免疫を得られるものではありません。
したがって、免疫力が落ちないように(体内の抗体が減らないように)追加接種をする必要があるのです。
追加接種の間隔についてはいろいろ言われてますが、現時点ではワクチンの副反応が出ない子なら1年に1回が無難と思われます(そのうち3年に1回で良くなるかもしれません)。
Posted at 17時41分
2007年07月24日(火)
糖尿病2(糖尿病の原因) [病気に関するお話]
今回は糖尿病の原因の話です。
全てを書くつもりはありませんので、興味のある方は本屋さんで専門書をお求めください。
糖尿病となる原因(犬猫)
1.膵臓からインスリンが出ない場合
@慢性膵炎の結果、膵臓がだめになってしまった。犬はこのパターンが多いです。
A膵臓の限界。膵臓はがんばってインスリンを分泌し続けていたのですが、体のほうがインスリンに反応してくれないため、膵臓が疲れきって結局インスリンを分泌できなくなります。猫はこのパターンが多いです。
2.インスリン抵抗性(インスリンに対する体の反応が鈍くなる)
つまり、膵臓はインスリンを出しているのですが、血糖値を正常に保つため、よりたくさんのインスリンが必要になり、結局1のAにつながります。インスリン抵抗性の原因は
@肥満:人間も同じ
A発情(避妊してないメス犬):ある種の女性ホルモンはインスリンの効きを悪くします。したがって糖尿病になった未避妊のワンちゃんは、糖尿病のよりよいコントロールのために避妊手術が推奨されます。
Bある種の薬の長期投与:アレルギー性皮膚炎、アトピー性皮膚炎に使用する副腎皮質ホルモンはインシュリンの効きを悪くします。
C内分泌疾患:自然発症の副腎皮質機能亢進症はしばしば糖尿病を引き起こします。理屈は上記のBと同様で体内の過剰な副腎皮質ホルモンがインシュリンの効きを悪くします。
D慢性感染症によるストレス(特に猫)
こんなところでしょうか?
次回は治療に関して簡単に書く予定です。
Posted at 16時25分
2007年07月19日(木)
糖尿病1 [病気に関するお話]
今回は糖尿病のお話です。
小難しいことを書いてもしょうがないのでごく簡単にいきます。
糖尿病=おしっこにブドウ糖が出て行ってしまう病気です。
犬・猫も糖尿病になります。
インスリンの不足→外部よりインスリンを補充する、というのが治療です。
食事を摂取すると蛋白質、ブドウ糖、脂質が消化、吸収され、血液中のブドウ糖濃度が上昇します。すると膵臓(すいぞう)からインスリンが分泌され、血液中のブドウ糖が体に取り込まれます。
原因は何にせよ、インスリンが足りないと血液中のブドウ糖が体に取り込まれず、血糖値が下がらないため腎臓からブドウ糖が尿とともに漏れ出します。
ブドウ糖が尿に漏れ出すとき、同時にどんどん水分も引っ張られるためいつも喉が渇き、水を飲みまくり、がんがんおしっこが出ます(多飲多尿)。経過が長い(長期間糖尿病と気づかず放置した場合)と食べているのにかかわらず、どんどん痩せてきます。
治療は単純です。インスリンを注射で毎日2回(例外はあります)入れてあげるだけです。
人間の場合は運動や食事療法、血糖降下剤を用いることがあるそうですが、動物の場合はとりあえずインスリン注射です。
それに加え、補助療法として食事療法などを併用するとコントロールしやすくなります。
次回は糖尿病の原因を書く予定です。
Posted at 08時07分
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