2007年03月04日(日)
フィラリアの予防の話 パート1 [病気に関するお話]
今年は異常に暖かいので、飼主様のほうから「フィラリアの予防はしなくていいのか?」と問い合わせを受けます。結論としては
「まだ飲ませなくて良いです。」
フィラリア予防薬は「予防薬」と言われていますが、厳密に言うと予防薬ではなく「幼虫駆除薬」です。つまり、投薬してから1ヶ月先までフィラリアの感染をシャットアウトするのではなく、蚊に刺されて体内に中に入ってきたフィラリアの幼虫を1か月分まとめて退治するのです。
つまり、吸血する蚊が発生し始めるまではフィラリアの予防薬を投薬する必要はありません。尾張旭市であれば、5月から11月末もしくは12月上旬まで年間7〜8回飲ませていただければOKと思われます。
あわてて早い時期から投薬するよりも、その分蚊がいなくなった1ヶ月後までしっかり投薬したほうが予防としては意味があります。だだ今年は異常に暖かいので4月末ぐらいから予防されても良いかもしれません。
もちろんあくまでも予防薬という観点で考えれば、フィラリアに感染していなければ副作用もほとんどありませんので、心配な飼主様は今からフィラリア予防薬を投薬されても一向に構いません。
ちなみに私が勤務医をしていた桑名犬猫病院では長島町の患者様も多く来院されていました。長島といえばそう、長島温泉があります。温泉地では通年のフィラリア予防が必要です。
Posted at 00時25分
2007年02月16日(金)
狂犬病 [病気に関するお話]
狂犬病・・・名前が悪いですね。犬が狂う病気なんて失礼な!!
かわいいワンちゃんをまるで気〇〇いみたいに・・・
病気に関する詳しい話はタイトルをクリックしていただくと農水省のページに行くので参考にしてください。
狂犬病は犬ばかりでなくほとんど全ての哺乳類が感染します。人間が感染すると最近話題になったように、呼吸筋の麻痺が来て死んでしまいます。海外に行った時は決して日本にいる感覚でそこらのワンちゃんに手を出してはいけません。万が一咬まれたら、傷口を石鹸でよく洗い、直ちに現地の医者にかかり抗血清投与とワクチンを接種してください。
幸いなことに現在日本は狂犬病に関しては清浄国です。戦後の狂犬病予防接種と野良犬の淘汰の結果といえます。
ただ最近は、狂犬病ワクチンの予防率が落ちているのが気がかりです。
日本で恐ろしい病気を蔓延させないためにも、病気でない健康なワンちゃんは狂犬病予防接種をすることをお勧めします(狂犬病予防法で飼主の義務と定められています)。
Posted at 23時49分
2007年02月09日(金)
体にしこりができたのですが・・・ [病気に関するお話]
動物も中高年になってくると体にしこりができるのはよくあることです。
ここでお願いしたいのは、くれぐれも何の根拠もないまま
「しばらく様子を見よう」
と考えないでください。様子を見る=何もしない 事です。
いったん出来てしまったものは引っ込むはずありません。とりあえず獣医師に相談してください。何もうちの病院でなくてもかまいませんので。
獣医師がよくやることとしては、
とりあえずしこりに細い針を刺させてもらって、
@化膿あるいは炎症か
A化膿ではなく腫瘍(いわゆる癌)の可能性は考えられないか
をスクリーニング的にチェックします。@であれば抗生剤で8割がた治ってしまいます。Aの場合は小さいうちにゆとりをもって大きめに切除し病理組織検査に提出します。そこで良性腫瘍であれば一安心、悪性腫瘍であれば経過観察を念入りにしながら、抗がん剤に反応するものであれば抗がん剤を使用するかどうかご相談することとなります。
もちろん処置(手術)は全身麻酔下で行うこととなるので、あまりにも高齢な子はやめておいたほうが良いこともあります。最終的な判断は飼主さんにしていただくこととなりますが、いずれにせよ体にしこりを見つけた場合は小さいうちになんとかすることをお勧めしておきます。
Posted at 00時03分
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