2012年10月05日(金)
緊急事態 [院長日記]
昨日の午後診察一発目で、「ストッキングを飲み込んだかもしれない」という若いワンちゃんが来院しました。
ストッキングや靴下などのナイロンや布はレントゲン写真をとってもはっきり写りません(周りの組織と写り方が同じ)ので、本当に飲み込んでいるかどうかは単純レントゲン写真ではなかなか診断できません。
ただし、胃の出口や腸を塞ぐような形で詰まった場合は、腸管の内容物が下方に流れずに滞るので、エコーで診断できることが多いです。
食べてすぐだとエコー検査でもよくわかりません。
しかし、万が一下方に流れて小腸に詰まってしまうと開腹手術が必要になります。ストッキングが胃にあるうちは内視鏡で摘出できるので、開腹という痛い思いはしなくて済みます。飼い主様と相談した結果、内視鏡検査をすることとなりました。
やるなら早いほうが良いということで、いったん病院を閉めました。ワンちゃんに全身麻酔をかけて内視鏡を胃袋まで入れてみました。胃内に内視鏡が入るとすぐに、飼い主様がおっしゃっていた通りのストッキングが見つかったため、先っちょがワニ口になっている異物鉗子で無事引っ張り出してきました。
幸い、大きなトラブルもなく麻酔の醒めも良好だったためその日のうちに退院できました。開腹手術だと最低3〜4日は入院が必要です。
無事終わってなによりでした。
午後の診察も6時から再開できました。
しかし、1時間閉院していた影響で、昨日午後お越しいただいた飼い主様には大変お待たせしてしまいました。ご迷惑をおかけしてまことに申し訳ありませんでした。
長時間お待たせしてしまったにもかかわらず苦情ひとつおっしゃられずにご協力していただき心より感謝いたします。おかげさまで若いワンちゃんを無事お返しすることができました。
昨日午前も午後もあんなに忙しかったのが嘘のように今日はゆったりペースです。
Posted at 18時39分