2007年03月30日(金)
フィラリア予防の話パート2 [病気に関するお話]
フィラリア予防薬を飲ます前、予防シーズンの最初には必ず血液検査が必要です。
例外は1年中予防薬を飲んでいるワンちゃんとその年生まれのワンちゃんは血液検査は不要です。
具体的には
1.抗原検査:検査キットを用います。フィラリアの成虫の寄生の有無を調べる詳しい検査です。
2.ミクロフィラリア検査:顕微鏡下でフィラリアの幼虫の有無を調べます。
最低限必要な検査です。
どちらの検査をすべきでしょう?
うちの病院の考え方としては、毎年完璧に予防しているワンちゃんは最低限の2の検査でよいと思います。
反対に今まで全く予防していない、あるいは飼主さんが忙しさのあまり予防がうやむやになっている場合、本当にフィラリアに感染していないか飼主さんが知りたい場合は1の詳しい検査をすると良いでしょう。
万が一フィラリアに感染しており、しかもオスメスがワンちゃんの体内にいる場合、フィラリアは卵ではなく幼虫をそのままワンちゃんの血液の中に産み落とします。1滴の血液中に何十、何百と出現します。
そもそもフィラリア予防薬は蚊に刺されてワンちゃんの体内に侵入してきた少数のフィラリアの幼虫をターゲットにしています。しかしフィラリアに感染し、しかもミクロフィラリア(幼虫)が出現しているワンちゃんに予防薬を投与すると血液中の大量のミクロフィラリア(幼虫)も一緒に駆除されてしまいます。このときの影響で、ショック状態に陥り、最悪、命を落としてしまう場合もあります。もちろんなんとも無い場合もありますが。
以上が予防薬を投与する前に血液検査が必要な理由です。
2の検査が必要最低限といった理由は、2の検査が大丈夫だからフィラリアに感染して無いとはいえないのです。フィラリアに感染していても、メスだけ、あるいはオスだけ感染している場合、オスメスいてもフィラリア自体が高齢の場合は、幼虫が出現しません。この場合2の検査はOKでも1の検査では引っかかってきます。
ご心配な方は1の抗原検査、しっかり飲ませているから大丈夫とお考えであれば2の検査をお勧めいたします。
Posted at 12時27分