2007年01月12日(金)
犬猫に風邪薬は× [病気に関するお話]
寒くなってきましたね。
動物(特に猫)も咳、くしゃみ、鼻水などのいわゆる風邪のような呼吸器症状を呈することが多くなります。
そこでご注意!
今でこそほとんど聞きませんが、私が獣医師なりたてのころ、「犬が風邪ひいたので俺の風邪薬のませてやった。」とか「猫がくしゃみしとったで風邪薬やった。」などとよく聞いたものでした。しかし、風邪薬の有効成分である解熱鎮痛剤(非ステロイド系抗炎症薬)が犬、猫には曲者です。
例を挙げると
アセトアミノフェン、アスピリン、イブプロフェンなど
これらの薬剤は摂取すると、溶血性貧血(赤血球が壊れて貧血)、胃腸穿孔(胃や腸に穴が開く)、急性腎不全などを引き起こして最悪の場合、命にかかわることがあります。特にネコさんはこれらの薬剤の毒性が強く出やすいので注意が必要です。
最近は、動物用のとてもやさしい解熱鎮痛剤があります(いわゆる風邪の症状で使うことはありませんが)。安易な人薬の使用は慎んでいただいたほうが無難です。もっとも、われわれ獣医師も、犬猫用の薬自体があまりないため人用の薬をよく用います。ただし、犬猫に使っても安全でしかも効果的であるとわかっている薬しか用いませんけどね。
同じ薬でも、動物種によって、有効な場合と有害になってしまうものがあるということは知っておいて損はないと思います。
Posted at 14時37分